営業停止処分を経験した品質管理担当が語る、LIMSが必要な本当の理由

紙の記録の山から電子的な記録管理へ移行する医薬品品質管理のイメージイラスト

私は中堅医薬品企業に15年以上勤務し、副試験責任者として医薬品の検体管理、品質管理試験、安定性モニタリング、参考品管理、そしてLIMS運用にも従事してきました。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)や県の薬務課によるGMP適合性調査(以下、査察)への対応も、数多く経験しています。

中には、勤めていた会社で国が承認する内容とは異なる方法で製造していたことが発覚し、厚生労働省から長期間の営業停止処分を受けた経験もあります。

この記事では、そうした実体験を包み隠さずお伝えしたうえで、「なぜLIMSが必要なのか」を「不正防止」と「生産性向上」の視点からお話しします。

紙の記録を中心とした品質管理に限界を感じている方、LIMSの導入を検討し始めた方に、きっとお役に立てる内容です。ぜひご覧ください。

目次

紙の品質管理で、こんな悩みはありませんか

GMP省令に基づく医薬品の品質管理、GLP省令に基づく医薬品開発の試験、食品・化学製品・環境に関わる品質試験。
こうした業務に携わる中で、次のような課題を感じたことはないでしょうか。

  • 所轄当局による査察で、求められた資料をすぐに準備できず、査察官に不信感を与えた。
  • 試験指図記録書 ※1(以下、試験記録)を何枚印刷したか示せず、「適合の結果が出るまで何度も測定したのではないか」と疑義を持たれた。
  • 紙で記録を発行しているため、記録の差し替えや検体出納記録の偽造といった不正が「ない」ことを、査察で客観的に示しにくかった。
  • 書庫に保管されている紙の試験記録を探すのに時間を要し、出荷可否報告書の作成に苦労した。
  • 試薬の使用期限や分析機器の校正期限の管理に不備があり、期限切れのまま試験に使用して逸脱になった。
  • 火災や震災、津波といった災害で、これまでの紙の試験結果や生データが消失する恐れがあった。

※1 試験指図記録書:試験操作の際、指図と記録が一体となった試験記録書。

これらはすべて、私自身が前職で経験してきたことです。
どれも本当に厄介な問題でした。

私の経験では、査察で求められた資料はおおむね30分以内に提示できないと、査察官に「管理できていないのではないか?」という不信感を与えてしまいます

また、特に手を焼いたのが、試験記録の発行枚数管理です。
何枚印刷し、何枚を何の用途に使ったか、別の紙の記録で管理することが求められるため、煩雑でミスが起きやすく、多くの工数を要する本当に辛い業務でした。

LIMSのデメリットと対策のイメージ

私が目の当たりにした不祥事 ― 長期間の営業停止処分

ここからお話しするのは、私が実際に経験したこと、あるいは元同僚の部署で起きたことです。
勤めていた製薬会社で国が承認する内容とは異なる方法で製造が行われ、それが明るみにならないよう品質記録の組織的な隠蔽が行われていました。

その不正が発覚し、厚生労働省から長期間の営業停止処分を受けました。
なお、これからご紹介する不正の手法は、いずれも行政当局が公表している事実です。

どのような手法だったか

  • 製造記録を2種類作り分ける:医薬品製造販売承認書 ※2(以下、承認書)に沿った「査察用」の虚偽の製造記録と、実際の製造を記載した製造記録の2種類を作成していました。
    査察用のフォームと実製造用のフォームの書体まで使い分け、上長を含む関係者が「どこまでを査察で見せるか」を一目で区別できるようにしたうえで、査察では虚偽の記録だけを見せていました。
  • 記録の差し込みと抜き取り:承認書どおりに製造している工程の記録の間に、不整合部分の実製造の記録を「1.5ページ」のように小数点を付けたページ番号で挟み込んでおき、査察の際にはそのページだけを抜き取っていました。
  • 虚偽の出納記録:試薬について虚偽の出納記録を作成し、査察ではそれを見せていました。
    さらに「実験用」「研究用」といった虚偽の名目で試薬の払出し量を記載した出納記録まで作り、払出し量から実際の製造に使った試薬の量を逆算できないようにしていました。
  • 過去の記録の作り直し虚偽の記録づくりは過去の記録にまで及びました。
    書き直した記録の承認欄には筆跡の似ている者にサインをさせ、紙を古く見せる加工までしていたのです。

※2 医薬品製造販売承認書:厚生労働省から、医薬品を製造・販売することが法的に許可されたことを証明する書類。製薬企業は承認書に記載されたとおりに製造や試験を行うことが要求され、違反すると薬機法違反で処罰される。

にわかには信じがたい内容だと思います。しかし、これらは現実に起きたことでした。

発覚の日のこと

10年以上前のある日、会社にスーツ姿の査察官がゾロゾロと来社しました。

彼らは管理職を呼び出し、携帯やPCといった他の社員に連絡できる手段を取り上げたうえで、「今から質問することに虚偽の回答をした場合、裁かれることになる」と告げてヒアリングを始めたそうです。

証言はボイスレコーダーで記録されていました。
そこで発覚したのが、上記の不祥事です。

それ以降、承認書と製造実態の不整合解消に向けて、毎日深夜12時まで働いていたことを、今でも鮮明に思い出せます。
発覚してからの事後対応の負担は、予防のための投資をはるかに上回る。

これが、あの経験から得た最大の教訓です。
このような思いは、誰にもしてほしくありません。

なぜこのようなことが可能だったか

ここで注目していただきたいのは、これらの隠蔽はすべて「記録が紙だからこそ可能だった」という点です。

書体を使い分けた二重の記録も、ページの抜き取りも、記録を古く見せる加工も、紙には「いつ・誰が・何を書き換えたか」を自動で残す仕組みがないからこそ成立しました。

差し替えても、抜き取っても、後から作り直しても、痕跡が残らないのです。

紙の記録 「いつ・誰が・何を変えたか」が残らない 二重の記録づくり ページの抜き取り 虚偽の出納記録 過去の記録の作り直し LIMSなら監査証跡・タイムスタンプで すべての操作が自動で残る

もしLIMSが導入されていれば、このような不祥事は回避できたかもしれません。
LIMSの使用は、データインテグリティ ※3 の向上に直結するからです。

ここからは、査察の経験から言えるLIMSの特徴を、2つの観点でご紹介します。

※3 データインテグリティ:試験データや記録が「改ざんや消去、誤入力がなく、正確で完全に揃っている信頼できる状態」のこと。

lims-eln

視点1:LIMSは「不正防止」にどう効くのか

LIMSを導入すると、記録の作成・変更・削除がすべてシステムに自動記録されます(監査証跡機能)。
つまり、不正が「仕組み上できない、あるいは行えばすぐに検出される」状態を作れるのです。

先ほどの不正の手法と対比しながら、LIMSの機能を見てみましょう。

紙運用の弱点LIMSによる統制
製造記録・試験記録を書体で作り分け、査察で見せない書体の記録を隠せる記録は電子で一元管理され、記録の作成・変更・削除はすべて監査証跡(いつ・誰が・何を変えたかの自動記録)に残るため、記録を隠すことはできない
ページを挟み込み、査察時に抜き取れる記録の発行枚数と用途をシステムが自動管理し、抜き取りや差し込みができない
虚偽の出納記録で試薬の使用量を隠せる試薬・検体の入出庫がデータで連動し、矛盾があれば浮かび上がる
過去にさかのぼって記録を作り直せる記録にはタイムスタンプが付き、後から「古い記録」を作ることはできない
「不適切な再試験」を検出できないすべての試験履歴が残り、不自然な再試験を検出できる

査察の観点でも、効果は明確です。
所轄当局による査察は年々厳しくなっており、特にデータインテグリティの観点では、ALCOA++(記録が「誰が書いたか分かる」「読める」「その場で記録される」「原本である」「正確である」など)の要件をベースにした査察に切り替わっています。

GMP査察では、
・不正な再試験を繰り返していないかの確認として、検体管理や出納管理
・適正な試験を実施しているかの確認として、試薬の期限管理や機器の校正期限管理
・出荷後の製品の品質担保の確認として、安定性モニタリングや参考品管理
など、多種多様な確認がなされます。

GMP査察で問われる管理の例 不正な再試験をしていないか 検体管理・出納管理 適正な試験を実施しているか 試薬の期限管理・機器の校正期限管理 出荷後の品質を担保できるか 安定性モニタリング・参考品管理

LIMSはまさに、これらの管理のために作られたシステムです。

ただ、LIMSを導入するだけで不正が完全になくなる、とまでは言えません。
企業の品質文化の醸成、従業員教育、SOP(標準作業手順書)の整備、経営陣による品質管理部門へのリソース配分など、このような土台があってこそのLIMSです。

それでもLIMSは、「記録を隠す・作り替える」タイプの不正に対しては、紙運用とは比較にならない抑止力と検出力を持ち、仮に不正が行われても監査証跡機能で早期に発見できるシステムです。

これは、不正が行われた企業に勤めていた私の経験上、自信を持ってお伝えできます。

視点2:LIMSは「生産性向上」にどう効くのか

LIMSの効果は不正防止だけではありません。
「記録を探す・転記する・照合する」という、試験そのものではない仕事を大幅に減らせます。
生産性向上に課題を持つ企業にとっても、LIMSの工数削減効果は見逃せません。

LIMSで得られる効果

  • 試験進捗の見える化検体の採取予定日が登録されることで、試験課ではいつ・どれくらいの検体が提出されるかが分かり、検体受領から試験完了までの状況を一覧化できます。
    また、試験が完了すると同時にレビューへ回せるため、品質保証部などへの紙記録回覧で生じていたムダ時間を削減し、出荷遅れを防止できます。
  • 期限管理のアラーム試薬の使用期限や機器の校正期限を自動で監視し、期限切れ状態での使用による逸脱を未然に防ぎます。
  • 記録の即時検索記録を探す際、紙だと人が探し回る必要がありますが、LIMSなら検索してすぐに提示できます。「30分以内」どころか数分で対応でき、査察官への印象も大きく変わります。
  • 規格判定・トレンド解析(OOS/OOT ※4 検出)規格から外れた結果(OOS)を確実に検出するのはもちろん、規格内でも「じわじわ悪化している」傾向(OOT)を早期にとらえ、不良品の出荷を防げます。
  • 災害対策記録の電子化に、クラウドやバックアップ・分散保管を組み合わせることで、火災や震災による記録消失のリスクを大幅に減らせます。

※4 OOS(Out of Specification: 規格外試験結果):試験結果が、承認された規格(判定基準)から外れた場合を指す。
OOT(Out of Trend: 傾向外):規格内ではあるものの、過去のデータの傾向(トレンド)から外れている結果のことを指す。

また、LIMSは試験記録の電子化だけでなく、さらに使いこなすことで、データインテグリティの担保範囲と、工数削減の効果を同時に広げられます。
ここからは、代表的な3つの広げ方をご紹介します。

LIMSを中心とした連携イメージ図。分析機器からSDMSが生データを自動収集・保管し、LIMSに連携。LIMSはLES機能・監査証跡・検体管理・期限管理・規格判定を備え、他拠点・委受託先とも試験依頼と結果報告を共有できる

① LES機能の活用 ― 記録の作成そのものを電子化する

ラボ実行システム(以下、LES)とは、紙の試験記録書の代わりに、試験の指図と記録をPCやタブレット上で行うシステムです。
研究開発部門で使われる電子実験ノート(ELN)と混同されがちですが、品質管理の定型試験の記録にはLESが適しています。

LESの最大の効果は、試験記録の作成そのものが電子化されることです。
これによって、具体的には、次のようなメリットを享受できます。

  • 転記作業がなくなる「紙記録をLIMSへ転記する」という作業が、「LESでの記録がそのままLIMSへ表示される」に変わります。転記ミスと、それを防ぐためのダブルチェックの工数を同時に削減できます。
  • 計算・判定の自動化含量計算や規格判定が自動化され、レビューする人は例外的な箇所の確認に集中できます。
  • 発行枚数管理からの解放そもそも紙を発行しないため、私が長年苦労した「何枚刷って、何に使ったか」を別の紙で管理する業務そのものが不要になります。査察で疑義を持たれやすいポイントを、仕組みごと解消できるのです。
  • 「即時記録」の担保記録は作成した瞬間から監査証跡付きで残るため、ALCOA++が求める「その場で記録される」「原本である」を仕組みで満たせます。
LESで「記録の作成」が変わる 紙に記録 → LIMSへ転記 転記ミス・ダブルチェック・発行枚数管理 LESで記録=そのままLIMSへ 転記ゼロ・計算と判定を自動化 紙を発行しないので枚数管理も不要

LESは一からフォーマットを作成しなければならない場合もありますが、製品によっては、使い慣れたExcelの様式を取り込んで移行できるものもあります。
製品選定の際にはぜひご確認ください。

② SDMSとの接続 ― 生データまで一気通貫で追跡可能にする

科学データ管理システム(以下、SDMS) とは、HPLCや分光光度計といった分析機器から発生する生データを、自動で収集・保管するシステムです。

LIMSは「試験結果」の管理・保管に優れる一方、機器から出力される膨大な生データの保管は本来の得意分野ではありません。
SDMSと接続することで、生データと試験結果の両方がLIMSに紐づいて保管され、次の効果が生まれます。

  • バックアップ工数の削減分析機器のPCごとに行っていた手動バックアップや記録媒体の管理が不要になり、生データの維持管理コストを削減できます。
  • 査察対応の即時化「この試験結果の生データを見せてください」という査察官の求めに、その場で応えられます。結果から生データまで一気通貫で辿れることは、データインテグリティの強力な裏付けになります。
  • 災害対策火災・震災によるPC破損から生じる生データ消失のリスクを、LIMSのサーバーやクラウドでの一元保管によって大幅に減らせます。

③ 複数拠点で同じLIMSを使う ― 試験委受託をスムーズにする

グループ内の他工場に試験を委託するとき、紙で試験検査依頼書・成績書をやり取りし、双方で転記や再入力が発生していないでしょうか。
こうした拠点間のやり取りは、別々のシステムを繋ぎ込むよりも同じLIMSを複数拠点で共通利用することが近道です。

拠点間でデータを共有できると、次のような効果を得られます。

  • 再入力・紙のやり取りがなくなる試験依頼から結果報告までをシステム上で連携でき、依頼書の郵送やPDFからの転記が不要になります。
  • 進捗がリアルタイムで見える「あの試験はいつ終わりますか」という電話やメールでの確認が不要になります。
  • 監査証跡・権限管理を全拠点で統一できる拠点ごとに「見せてよい情報」だけを共有する設定ができるため、委受託先との共有も安心です。さらに、記録の変更履歴が同じルールで残るため、拠点をまたいだデータインテグリティを一貫して示せます。
LIMSとは?実験機器とデータ管理をつなぐラボ情報管理システムの図解イラスト

3つの広げ方のまとめ

スクロールできます
連携先何が変わるか査察対応・生産性への効果
LES試験記録を電子化記録の即時性担保、発行枚数管理の解消、転記工数の削減
SDMS生データと試験結果の両方を紐づけて保管生データの即時提示、バックアップ工数の削減、災害対策
複数拠点でのLIMS共通化委受託の依頼〜報告を電子連携監査証跡の統一、再入力ゼロ、進捗共有

こうした間接業務の削減で生まれた時間は、試験記録のレビューの質を高めることに充てられます。
記録の質が上がることは、日々の業務効率だけでなく、査察対応の底上げにもつながります。

初期費用が高いと感じる方へ

ここまでお読みいただき、次のように思われたかもしれません。
「効果は分かった。でも、LIMSは初期費用が高い。選定に失敗したら投資が無駄になるのではないか」と。

確かに、その可能性はゼロではありません。
LIMSの初期費用は、規模にもよりますが、一般に数百万円からの投資になります。
今の紙運用を続ければ、確かにその費用は抑えることができます。

しかしながら、LIMSを導入せずに品質管理を続ける方が、はるかにリスクが高いと私は考えています。

どちらのリスクが大きいか 紙運用を続ける 見えにくい工数が発生し続ける 不正が起きれば失うものは桁違い LIMSに投資する 初期費用は数百万円規模から 信用維持・逸脱回避・災害対策は長く続く
  • 紙運用のコスト(記録管理の工数、逸脱対応、査察対応の負担)は、目に見えにくいだけで確実に発生し続けます。
  • 万一、不正や隠蔽が起きれば、行政処分、業許可の取り消し、会社の信用失墜と、失うものは初期費用の比ではありません。私はそれを、身をもって経験しました。
  • 他社がLIMSを導入する中で、品質管理を紙記録で続けていると、「品質第一」と顧客から思ってもらえない可能性があります。

不正の事前防止は会社の信用維持、ならびに査察官からの信用度アップにつながります。
また、紙削減によるECO・SDGsへの貢献、逸脱回避、災害対策といった利点は長期間享受でき、さらには社員満足度の向上にもつながるでしょう。

データインテグリティへの投資は、これからの時代、欠かせないものと私は考えています。

失敗しないLIMS選び ― 選定こそが成否を分ける

それでは、どのLIMSが良いのでしょうか。

  • LabVantage(LabVantage Solutions, Inc.)
  • LabWare(LabWare, Inc.)
  • CIMVision LIMS(横河電機株式会社)
  • HITPHAMS(株式会社日立製作所)
  • tsPharma qcLIMS(富士通株式会社)
  • SampleManager LIMS(Thermo Fisher Scientific Inc.)

など、世界には様々なLIMSがあり、いずれも国内や世界で有名な企業の製品です。

主要なLIMSには、検体管理、試薬期限管理、機器管理、出納管理、安定性モニタリング管理、参考品管理、試験記録書の発行管理、拠点間でデータ共有しやすいクラウド仕様、日本法人による手厚いサポートなど、多様な機能が標準で用意されています。

LIMS製品の選び方・比較のイメージ

問題は、この中から自社に適したLIMSをどのようにして選ぶかです。
選定を誤ると、「高い初期費用をかけたのに、日々の業務が楽にならない」という事態になり得ます。

場合によっては、自社に合わないLIMSを導入し、数年後に別のLIMSに入れ替える(リプレイス)例も珍しくありません。
私自身、LIMS運用に従事していましたが、導入後に様々な運用上の問題に直面した結果、移行プロジェクトが難航、一時休止という経験もしました。
LIMS導入では、投資額が小さくないからこそ、要件定義と製品選定が成否を分けます。

選定の際は、たとえば次のような点が判断軸になります。

  • 拠点間でのデータ共有やアクセス管理を、標準機能で実現できるか(追加開発やサーバー増設が必要になる製品もあります)
  • 分析機器などの既存システム、SDMSなどの将来システムと標準機能で接続できるか
  • 製品ロットごとに複数試験を行う、逆に複数製品・複数ロットを1回の試験でまとめて処理する、といった自社の試験運用に対応できるか
  • 日本語でのサポート体制がどの程度あるか

こうした見極めに最も有効なのが、LIMSコンサルタントへの相談です。
世界にはLIMSコンサルタントがたくさんいますが、国内にはほとんどいません。

その結果、中立的な情報を得られないままベンダーの提案だけで選定し、失敗する事例が少なくないのです。
LIMSは費用面でも工数面でも高い投資になりがちなため、ユーザー要求仕様書(URS) の作成や要件定義、システム選定などの初期段階から専門家の手を借りることを強くお勧めします。

まとめ ― LIMSは「守り」と「攻め」の両方に効く投資

紙の品質管理には、不正を隠せてしまう構造的な弱さがあります。
私が経験した不正の手法は、すべて紙だからこそ可能でした。

LIMSは、監査証跡・発行管理・出納管理などの機能により、データインテグリティを仕組みとして担保します。

さらにLES活用・SDMS接続・拠点間委受託の電子化にまで広げれば、転記・バックアップ・委受託のやり取りといった間接業務を大きく削減できます。

LIMSは「守り」と「攻め」の両方に効く 守り=不正防止 監査証跡・発行管理・出納管理を仕組みで担保 攻め=生産性向上 転記・照合・記録探しの間接業務を削減 成否を分けるのは「要件定義」と「製品選定」

不正にデータを操作していると、会社の信用は大きなリスクに晒されます。
私が経験したあの深夜12時までの日々を、皆様には経験していただきたくありません。
そのような事態を避けるため、ぜひ皆様の会社でも、LIMS導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

なお、LIMSパートナーズではLIMS導入のためのコンサルタント業務も請け負っています。
「そもそも何から始めればいいか分からない」という段階のご相談も歓迎です。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

H・S|元・製薬企業 品質管理(15年以上)

副試験責任者として検体管理、品質管理試験、安定性モニタリング、参考品管理、LIMSの運用に従事。現在はLIMS導入支援の業務に携わる。

GMP対応・データインテグリティのご相談
査察対応を見据えた要件定義から製品選定・設定・運用まで、品質管理の実務経験に基づいてアドバイスします。
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